【秋田県】自分自身の体験と探求心に導かれるように出会った石鹸とEM

施設管理・清掃・洗濯

化学合成洗剤を一切使わず、石鹸でのクリーニングを貫いている、そんな田中さんの情熱を取材しました。

秋田県鹿角市 【 合資会社 協和ランドリー えどや 田中 義昭さん 】

取材日:2016年1月7日

「よりキレイに」を極めるあまり、心身がボロボロに

田中さんが家業を継いだ頃は、大型のクリーニング店が台頭してどんどんチェーン店が増え、個人経営店には厳しくなっていた時期でした。苦労しながらも「大型店にはできないサービスをやろう」と工夫を重ね、「よりキレイに、よりお手頃価格で、環境にやさしく」というモットーを決めました。平成10年には、念願の新規店舗を立ちあげ、意気込みを新たに「よりキレイに」を追求しました。

頑固な汚れも落とせる強力な化学合成洗剤を探し当て、何種類もの洗剤を組み合わせて使用しました。部分汚れは素手で洗剤を触って作業しました。汚れは抜群に取れ、お客様にも好評、順調に走り出した!と思ったのも束の間、みるみる田中さんの手が荒れはじめ、新規店を開店して一ヶ月を過ぎた頃には骨が見えそうなほど指先が深く割れ、ボロボロになってしまいました。 病院でもらった薬をつけても治らず、スプーンすら持てない酷い症状と痛み。次第に食事も喉を通らなくなり、肉体的にも精神的にも深く落ち込んで追い詰められました。「もうこの家業を続けられないのではないか…」と悩みつつも、田中さんは打開策がないかと本を読みあさりました。

その中に、「シャボン玉石けん」の故森田前社長の著書「シャボン玉読本」がありました。当時、石鹸について書かれた本はほとんどなく、「シャボン玉読本」で初めて化学合成洗剤の怖さと石鹸の良さについてに触れた田中さんは、ふと、数年前から倉庫で眠っている「石鹸」のことを思い出しました。

石鹸に興味すらなかった頃の出会い

遡ること4年前。ボーイスカウトのキャンプの引率をした時のこと、事務局から「今回の久住高原でのキャンプでは化学合成洗剤の使用を禁止します」という通達とともに、大量の粉石鹸が送られて来ました。それは久住高原のキャンプ地が普段は牛の放牧地であり、化学合成洗剤を使うと牧草が枯れ、牛が生きられなくなるという理由からでした。 当時は化学合成洗剤の危険性を認識しておらず、「石鹸なんかでしっかり汚れが落とせるのか?子どもの健康や命を守ることを考えたら不安だ」と思い、食器の上にラップを張って捨て、洗い物を極力減らしました。その結果、未使用の粉石鹸がたくさん残りました。 それが今も自宅の倉庫に眠っていることを思い出し調べてみると、なんと、あの時の粉石鹸は、シャボン玉石けんだったのです。

不思議な巡り合わせに、田中さんは衝撃を受けました。そして粉石鹸を取り出し、使い始めると、ぱっくり割れていた程の手荒れが、見る見るうちに治ったばかりか皮膚もつるつるに、健康になっていきました。 「なんだこれ!石鹸ってこんなにすごいの?!」一時は廃業すら考えたほどの状態から、たちまち回復した驚きと感動。田中さんは、矢も楯もたまらず、森田前社長への面会を求めてはるばる福岡までシャボン玉石けんの本社を訪ね、キレイになった手を見せこれまでの経緯と感動を伝えました。「突然の訪問にも関わらず、温かく対応して下さった森田前社長の『やっとそこに気が付きましたか』という言葉が心に残っています」。 化学合成洗剤の怖さと、石鹸の良さを身をもって体験した田中さん。これをきっかけに工場の化学合成洗剤を全て捨て、石鹸だけでのクリーニングをしていこうと決意しました。
  • お店の外からも、中のカウンターからもクリーニング工場内部が見えるようになっています。「お客さんに隠すところのないようにしたい」という田中さんのこだわりです

軟水機のおかげで

田中さんと石鹸の出会いにとって、運命的なことはもう一つありました。

研究熱心な田中さんは汚れ落ちを研究する中で、クリーニングに最適な水は硬度0の軟水だと気づき、石鹸と出会う以前に軟水を造る「軟水機」を導入していました。「自分が幸運だったのは、石鹸と相性のいい水をクリーニング工場ですでに使っていたこと。初めて石鹸を使った時にもしこのことがなければ、泡立たないし、石鹸本来の洗浄力も発揮できなくて、やはり石鹸はクリーニングには使えない…と放りだしていたかもしれません」。
ポイント
石鹸+EMの良さ
●石鹸で洗うときにEMを少量加えると泡立ちがよくなり、洗浄力があがり、仕上がりもふっくらと柔らかい仕上がりになります。
●軟水とEM活性液を使うことで、クリーニングに必要な石鹸の量は、規定の量の1/3位で済んでいます。
●石鹸だけでクリーニングしていた時は石鹸カスが付着し、洗濯槽の手入れが必要でしたが、EMを入れるようになってからは汚れが付かなくなり、ほとんど手入れが不要に。排水溝が臭うこともなくなりました。
●シミ抜きは手作りのEM廃油石鹸1個でほとんどの汚れが落とせます。化学合成洗剤を使っていた頃は汚れの種類に合わせた何種類もの洗剤を並べていましたが、今は手作りのEM廃油石鹸だけなので、シンプルで、洗い場もすっきりしました。
●シリコン溶剤ドライクリーニングで使うドライソープも、EMを加えたものを使っています。それから、EMセラミックスをドライクリーニングの溶剤のタンクの中にも外にも、たくさん入れています。効果を数値では表現できませんが、洗い上がりがEMが入っている方が断然ふわっと柔らかく仕上がるし、ドライ溶剤の状態のよさ、機械のフィルターが長持ちすることなどで効果を実感しています。ドライ溶剤の回収率も上がって、コストの削減にもつながっています。
●煮のりにもEM活性液をほんの少し加えています。加えると仕上がりが全然違います。ハリがあるのに柔らかく、シワにもなりにくい仕上がりになります。

安心へのこだわり

ドライクリーニングは石油溶剤を使う方法が一般的ですが、石油溶剤はニオイが強く、皮膚に残ると「ドライ火傷」の原因になります。そこでニオイもなくからだや環境にも安心なシリコン溶剤を使ったドライクリーニングを導入しました。洗濯のりも、一般的な化学合成のりの使用をやめました。化学合成の洗濯のりは、接着剤そのもの。洗っても落ちず、汚れを残したまま化学合成のりを上塗りすれば、汚れはもう落ちません。自然のものを使いたいと色々試して、今はタピオカのデンプンでつくる「煮のり」を使っています。デンプンは安全で、洗えば溶けるので、のりの上についた汚れも一緒に落ちます。

クリーニングの洗浄や仕上げに使う蒸気を作るためのボイラーも、一昨年、灯油から格段にCO2の排出量が少ないガス炊きに変えました。更に蒸気からできたお湯を、捨てずに工場内を循環させて使うための配管工事をしました。エネルギー使用量を大幅に削減でき、お湯は循環して使うため、蒸発して減る分を足すだけでよく、捨てる水はなくなりました。人にも環境にもやさしくという田中さんの想いは、工場や使う素材の隅々で反映されています。

「蒸気やお湯を循環させる配管のアイディアが生まれたのは、EMを知って、EMを活用する方とのお付き合いの中で。EMは生ごみまで活用する、捨てるところがないよねっていう考え方するでしょう?その考え方が身についたから思いついたんです」

EMとの相乗効果にまたびっくり!

石鹸クリーニングを始めて8年後、ちょうど「もっと石鹸の技術を高めながらいい洗い方ができないかな…」と考えていたある日、ふと目にとまったシャボン玉石けんの森田前社長の講演を聞きに大阪まで出かけました。そこで初めてEMを知り、持ち前の探究心を発揮して、その場にいる参加者や講演者の一人だった比嘉教授とも交流し、EMを使うクリーニングがあると知りました。EMを取り入れたら石鹸はやめなくてはならないのかな…?と不安に思いながら質問すると、「ベースは石鹸だよ!」という答え。「えっ石鹸使う人、いたんですか?!」石鹸だけでクリーニングをしている変わり者は自分だけではないかと思って、一人研鑽をしていた田中さん。たくさんの同じ志を持つ仲間がいることを知り、勇気づけられました。後に、比嘉教授が農薬で体がボロボロになる経験を経て、EMの開発に至ったことを知った時には、自分の経験と重なって涙が出るほどでした。

工場に帰ってから、教わったように石鹸での洗濯にEM活性液を加えてみたところ、ビックリするほどの泡立ち! EMの良さと石鹸との組み合わせはクリーニングの品質を高め、環境浄化にもなると知った田中さんは、石鹸に出会う前からの「キレイに、お手頃価格で、環境にやさしく」を信条に、研究と実践し続けています。

化学合成洗剤に含まれる蛍光増白剤は紫外線を当てると左手の第二関節周辺や爪の生え際が白く光らせます。「蛍光増白剤は、黄ばみなどを染めて白く見せる塗料。ペンキと同じで、一度染まると二度と完全には落ちません。体に付いた場合も、洗っても落ちず皮膚が新陳代謝するまで残っています。爪の生え際など強く光っているところがあるでしょ?まさに私(田中さん)の手がボロボロになった時に割れていた場所と一致するんです。洗剤がたまりやすい場所ということですよ。石鹸の講習会を行うときには、わかりやすいように、こういう目に見える形でお伝えしています」
写真左の右手は何もしていない状態。写真右の左手は、化学合成洗剤を使った後、よく洗った状態。

プロの立場から、自らの体験から伝えたいこと

田中さんは、プロの立場から合成界面活性剤(化学合成洗剤)が危険であることや、石鹸のよさを伝えたいと、積極的に講習会を行っています。もともとは石鹸と軟水の関係を話していましたが、EMに出会ってからはEM廃油石鹸の作り方も組み合わせ、「快適石鹸ライフ」という講座をはじめて、もう300回以上になります。

「石鹸が良いとわかっても、なかなか続かない人が多いです。石鹸は、水道水だと泡立ちが悪くて使いにくい面があります。EMを加えることで泡立ちと洗浄力がよくなることや、使い方の秘訣をお伝えしたり、化学合成洗剤が危険であることや石鹸のよさをよく知ってもらうことで、せっかく使い始めた人に、石鹸を続ける助けになればと、講座をずっと続けています」。
  • 工場と一体型で、駐車場も広い、ロードサイド店舗の皆さん
  • 自宅に併設の本店。田中さんの奥様が担当されています
合資会社 協和ランドリー えどや
本店:秋田県鹿角市花輪字下花輪170
HP:http://www.h-card.jp/shop/edoya/
詳しい店舗情報はホームページをご参照ください

「健康生活宣言」27号より
平成10年に新築したこの工場には、田中さんの「やさしさ」へのこだわりと情熱が詰まっています

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