【エクアドル】大産業であるエビ養殖、病気予防にEMが活躍

海外

エクアドルにEMが導入されたのは1997年。
爆発的な病気の流行にエビ養殖業者が嘆く中、EMがエビの健康・免疫状態の回復に貢献。
中南米ではEMの力によるエビ養殖が広がり続けています。

取材日:2017年1月9日

エクアドルのエビ養殖で普及が進む

赤道直下の国であるエクアドル共和国は南アメリカ西部に位置する共和制国家で、北にコロンビア、東と南にペルーと国境を接し、西は太平洋に面しています。西海岸は世界遺産のガラパゴス諸島を領有しています。

エクアドルのエビ養殖にEMが導入されたのは1997年で、コロンビアと並び中南米では早くからEM普及が進んだ国です。コスタリカのアース大学でEMを学んだ卒業生たちが組織しているAGEARTH Ecuador社が、エビ養殖産業を中心にEMを月5000リットル製造して普及を進めています。そのエビ養殖はエクアドル最大の港を有する商業の中心地グアヤキル。グアヤス川の河口部に広がる三角州地帯に発展した都市で、河口部の広大なマングローブ林がエビ養殖に最適な環境です。エクアドルのエビの漁獲高・生産高は世界で第6位、中南米では第1位を誇ります(2013年時点)。

壊滅的なエビの感染症対策にEMを使用

EMが本格的に導入されたのが、エビの外骨格に白点もしくは白斑症状が現れるホワイトスポット病と呼ばれるエビの感染症が1999年に壊滅的に流行したことがきっかけです。被害はエクアドル国内の養殖エビの生産量が半減するほど。抗生物質の投与は国際的な規制が強いため敬遠され、これといった対策がない状況が続いていました。そこで、EMが試験的に導入され、この病気による影響を食い止めることができたのです。

エクアドルでは、エビ養殖にEMが数多く活用されています。稚エビを育てる養殖池には酸素を送るためのエアレーション施設がなく、嫌気状態で常に飼育されているため、水質維持が非常に重要です。また稚エビ及び孵卵の段階から健康管理にも気を配っています。

近年、ホワイトスポット病以外にも、EMSというビブリオ菌が原因の病気が世界的な流行の兆しを見せています。抑制するためにビブリオ菌を排除する薬が使われますが、未だ効果的な処理方法がない状況です。罹患すると数日しかエビが生きられないので、対策が遅れると一池丸ごと全滅してしまうことも少なくありません。そのため、エビの健康状態と免疫力をEMによって向上させ、EMS対策として効果を発揮できるか試験を重ねている最中です。
  • 瑞々しく健康な、EMで養殖をされているエビ

エビ養殖業者向け講演会を開催

グアヤキル市内で昨年10月に開催された水産シンポジウムで、エビ養殖業者対象にEMの講演会が開催されました。参加者の多くは、稚エビ生産業者やエビ養殖業者で、わざわざペルーから来た参加者もいました。
米国アリゾナ大学のライトナー教授の下で博士号を取得しているEMRO USAのグスタボ氏の講演が行われ、EM及びEMに含まれる微生物によるビブリオ菌の抑制試験結果が発表されました。また、タイEMRO ASIAから東南アジアにおけるエビ養殖現場でのEM活用方法とその結果、また共同実験結果などの発表もありました。

現在、このビブリオ菌による病気が拡大しつつある為、会場の参加者から数多くの質問があり、多くの意見交換が行われました。今後も、アリゾナ大学で実験を行い、エビ養殖に対するEMの活用方法を中南米とアジアに情報共有していく方向性が示されました。
2015年10月に開催されたエビの養殖業者向けのEM講演会の様子

EMは稚エビの飼育中のアンモニア対策に

サンタエレナ市に構えるTexcumar社は月生産1億匹の稚エビの生産を行っている会社で、親エビから卵を採取し、20日〜25日かけて稚エビまで育て養殖業者へ出荷しています。飼育中は植物・動物プランクトンや配合飼料をエサとして与えています。しかし、限られた養殖タンク内で、多くの稚エビを飼育するため、排泄物、エサの食べ残し、脱皮した殻などの有機物が蓄積します。その結果発生するアンモニア濃度を下げる為に毎日、EMを使用して水の管理を行います。マネージャーのエディソンさんは、「EMを使用すると、アンモニア濃度が下がるだけでなく、水質も安定するし、エビが健康に育つ」と言います。

EMで水質改善

エクアドルでの養殖は、マングローブと自然の地形を生かした大規模養殖場が多く、エビの生育密度は東南アジアに比べて極端に低く、より自然に近い養殖と言えます。養殖池の水は、マングローブ林から取水池を経由し、高低差を利用して、引き入れます。エビの漁獲は水を抜きながら行い、水はまたマングローブ林に流れていきます。

グワヤス県に位置するエビ養殖農家さんは、一つの池が7〜10haで、17池ほど所有しています。稚エビを放流する前にプランクトンを池に繁殖させるため、鶏糞堆肥などの有機資材にEMを混ぜて2日ほど発酵させたものを池に入れています。この農家のマネージャーさんは、「水質の向上とともにプランクトンの種類が豊富に池に現れるようになってきて、稚エビの初期の養殖には好ましい状態が維持出来ている。今後は養殖池にもEMを活用して元気なエビを養殖していきたい」と話してくれました。
  • 稚エビの状態を見るエディソンさん(写真右)とEMパートナーのアリソンさん(写真左)
  • 高低差を利用して水を引き込む取水池
  • 鶏糞堆肥を2日間発酵させる。農場長は「EM使用後はプランクトンの多様性が見られている」と効果を実感