【愛知県】自然と寄り添う商品~セラミックスと微生物への思い~

製造業

粉砕加工後のEMスーパーセラ発酵C。ミクロン単位の微粒子に粉砕されているため、とてもやわらかなパウダーの質感が気持ちいい。

愛知県瀬戸市 【 丸石窯業原料株式会社 】

取材日:2016年5月30日

セラミックス作りは伝統の焼き物技術から誕生

愛知県瀬戸市は瀬戸物で名高く、その素晴らしい器は今も日本全国で愛されています。良質な木節粘土が取れる世界的な産地で、丸石窯業原料株式会社はこの土地で陶磁器の製陶所として明治7年(1874年)に創業し、戦後には陶磁器の原料土や窯業の天然原料メーカーとして、たくさんの良質な製品を生み出しています。

EMを応用した商品開発は平成7年に着手。当時は環境問題への関心が高まりつつあり、生ごみリサイクルがさけばれました。EMによる生ごみリサイクルの推進活動が盛んになってEMボカシでの生ごみの肥料化が進められると、生ごみの発酵はEMボカシの品質に左右されやすいため、セラミックスの生ごみ処理活用が着目されました。
このことから、これまでに培われてきた優れた粉砕加工技術と融合され「テラ(現在のテラC)」が最初に誕生しました。

瀬戸物の伝統技術を支える良質な原料土

焼き物の原料土には、いくつもの種類がありますが、それぞれにとても大切な役割があり、複数の原料土を混合して陶磁器に最適な粘土を練り上げます。
EMセラミックスも同様で、用途別に配合をかえて最適な原料土を練り上げて作っています。

世界一の品質と言われる「木節粘土」と「蛙目粘土」は、耐火性が高く、思い通りの形に加工しやすいと言われています。丸石窯業原料㈱ではこれらの良質な粘土が採取できる瀬戸市の鉱山を所有しています。また、「珪砂」や「砂婆土」などの複数の原料土を配合することで良質な焼き物の粘土になります。
  • 木節粘土(キブシネンド)
  • 蛙目粘土(ガイロメネンド)
  • 珪砂(ケイシャ)
  • 砂婆土(サバツチ)
蛙目粘土は、混在している石英の粒子が水に濡れると蛙の目のように見えたため、このように名付けられたと言われています。焼成すると白くなるため重要な磁器原料の1つです。
木節粘土は、炭化した松の木片を含んでいることから、名付けられています。細かな粒子が集合したもので、有機物を含んでいることから褐色や灰色などの色が特徴です。この木節粘土はEMとの相性がとても良いことから、EMセラミックスにはなくてはならない重要な原料土です。

珪砂は、丘陵地帯にある瀬戸層群と呼ばれる地層に豊富に含まれ、純度が高く、耐熱性・耐火度共に優れている特徴を持っていることから、陶磁器の素地の乾燥や焼成によっての収縮を少なくする原料となります。混ぜ合わせることで、焼成した素地の強さが増します。
砂婆土は壁材や墓石などに用いられる花崗岩が風化してできた砂で、降雨が少なく、温暖な気候の西日本で多く産出されます。

これらの良質な原料土を用いて伝統的な瀬戸物の技術とEMの応用で生まれたものが、丸石窯業原料㈱の〝EMセラミックス〟です。
 

土を生き物として扱う職人の技

丸石窯業原料㈱ではEMセラミックスを製造する際、商品によって粘土の成形方法、焼成温度などに様々な工夫をしています。

焼成前での成形は、「鋳込み」、「押し出し」、「手ひねり、手ろくろ」、「鈩(板)」などに製造方法が分かれます。焼成温度は、商品によっても分かれますがその時期の気候の影響も受けるので、温度の微調整にも職人としての技が必要です。この様に、長い年月で培われた商品の形状、用途、特性に合わせた技が凝縮されています。
代表取締役社長 加藤昭博さん(左)
専務 加藤雄一さん(右)
熱い想いをお話しくださいました。
  • セラミックス工場の製造統括の水野秀之さん。後ろの機械には調合された原料の粘土(泥状)がひだ状の布の中に押し込まれ、余分な水分が抜けます。
  • EMで熟成されている粘土。右隅の普通の粘土とは色から違っています。
  • 原料土の混合粉砕機。この中で5tもの土が混合されます。
  • セラミックスの粉砕機。写真は全体のほんの一部。その大きさは圧巻です。

伝統技術で生まれたセラミックスは国外へ…

これまでに生み出されてきた様々なEMセラミックス商品は、農業地における土壌改良、海・池・川などの水環境改善、住宅などの建築物など様々な分野においてその効果を発揮し続けています。
その効果は日本国内にとどまることはなく、国外でもたくさんの国・地域で愛され続けています。

EMの技術は国外において飛躍的に進んでいて、その国々のニーズに合わせた多種多様な商品も生まれています。その中でもEMセラミックスは日本独自のEM商品として人気が高く、農業用のEMスーパーセラ発酵Cや建築用のEMスーパーセラ蘇生Cなど大容量の商品から、Eセラシールやイ~KAGENシリーズなどの小型(家庭用)商品まで、幅広く受け入れられています。
  • イ~KAGENシリーズは職人技がなせる商品です!
  • 成形したてのイ~KAGENシリーズ。 乾燥させることで、キレイな白色に仕上がります。

EMセラミックスの未来展開

EMセラミックスの原料である粘土は、様々な元型を作り出すことはできますが、その基となる優れた原料土は何千年何万年と長い時間をかけて自然が作り出した産物であって限りがあります。加藤雄一さんは「この優れた土を生み出すことができる鍵は〝微生物〟が持っていて、微生物の力を借りることで人工的に生み出すことも可能になるのではないか考えている」とおっしゃいます。

現在、地元の土や水などの資源を活用して、瀬戸の陶磁器の技術で作り上げる製品は、地元地域の活性化につながっています。自然が生み出す土と人々の知恵と伝統の技が、環境や生活の中に、より一層寄り添える商品を創り出せる希望を感じました。
  • 製造された「EMスーパーセラ発酵C」。発送を待つばかり!
  • 粉タイプなどの粉砕機などの工場。ご担当の前迫昇さん。