【福島県】明るい未来へ繋ぐ努力と揺るがない原動力

農業・菜園・畜産

穏やかな気候と緑あふれる風景に囲まれた土地で、街の雑踏からは遠く離れて落ち着いた時間が流れています。瀧澤牧場はこの土地で、乳牛の飼育や稲作、牧草の栽培をしています。

笑顔のたえない明るい方です!
瀧澤昇司さん【瀧澤牧場 福島県南相馬市】

取材日:2016年11月28日

牧場でのEMの取り組み

震災直後は牛の世話をするために避難をせずに残り、仲間の酪農家の牛の世話もしていました。放射性物質の飛散が叫ばれる中で、安全な牛乳を出荷できるようにするため、牛が食べる牧草の品質管理や、牛が元気に生きていける環境作りに取り組みました。試行錯誤の中、安全な牛乳を搾れるようにするには、光合成細菌の活用が有効であるという情報にたどり着きました。この光合成細菌を大量に使用するために、(株)EM研究機構から紹介があったEMに取り組み始めました。現在では、乳牛全頭の飼育の他に田畑にもEMを活用しています。

飼育している乳牛にあたえる混合飼料(TMR)にはEM活性液を活用して発酵飼料にして食べさせ、サイレージ(発酵飼料)の製造時にもEM活性液を活用しています。

また、畜舎内にもEM活性液を散布するなど、牛たちが常にEMと共に生活する環境作りをしています。また、堆肥舎の堆肥の上へEM活性液を定期的に散布し、浸み出した液肥が流れ込む液肥漕へもEM活性液を直接流し込みます。これを続けたことにより、堆肥舎の悪臭やハエが激減し、堆肥の固液分離も速くなりました。
 
  • EM活性液入りの発酵混合飼料(TMR)配布中。牛たちはもくもくと食べます。(笑)
  • EM活性液を敷き藁へ散布します。牛が嫌がる気配もなく、尻尾を振ります。
液肥漕は約27トンの容量が入る構造になっていて、常に液肥が溜めてあります。液肥を牧草地へ撒くために、直接汲み上げることもありますが、EMが入っていることで悪臭がないため、苦なく作業ができます。

現在、乳牛を36頭飼育しています。酪農において悩みの種でありしばしば発生するのが牛の乳房炎。しかし、瀧澤牧場では乳房炎が起こりません。EMで育つ牛たちはとても穏やかで愛嬌あふれていて、見ているこちらもニコニコと笑顔になれました。
サイレージ(発酵飼料)にはEM活性液がたっぷり!発酵の匂いが牛舎に広がります。

圃場へのEM活用

現在、圃場の面積は全体で40ヘクタール。その内の約20ヘクタールは、EM活性液で発酵させた畜産堆肥と稲わら、およびEM活性液を使用した循環型農法です。稲作は約8ヘクタール、牧草は約11ヘクタールを栽培しています。

畜産堆肥は年間で換算すると、10アールあたりに1トン半~3トンほどを施肥します。タイミングや圃場によって異なりますが、28年度実績では、最大3.3トンでした。

EMを活用している圃場では、牧草や稲は病気にかかることもなくなり、自慢の美味しいお米が収穫できるようになりました。
瀧澤さんがEM栽培する土地の航空社写真。白いサイレージのある土地が目印。
  • 堆肥舎へEM活性液を散布した様子。ハエもいなければ臭いもなく、良い堆肥ができています。
  • 堆肥舎へEM活性液を散布した様子。ハエもいなければ臭いもなく、良い堆肥ができています。

EMと歩むこれから・・・未来へ繋ぐ「今」

震災当時から、瀧澤さんや家族の皆さんは前向きに歩んできました。これまでEMで様々なチャレンジをしてきたお米や牧草、田畑の土、牛たちの変化から、EMの持つ力や可能性を信じています。

しかし、EMはただ撒けば良いわけではなく、しっかりと状況の変化を観察して、「なぜ?どうして?」を考えて「こうしてみたら…」を実践。実際にやってみないとわからないことばかりだそうです。
「農業はオールマイティ、植物のことだけではなく、微生物、土木、建築、機械…何でもやる。だから何でもやれる。」

放射能や販売、土地のことなど、向き合っていかなければならない課題は数多く残されています。しかし、「明るく楽しくだけは忘れずにこれからもたくさんのことにチャレンジしていきたい」と、瀧澤さんは絶やさない笑顔でお話しくださいました。
 
「息子が戻ってくる時までにこの土地をしっかり元の姿に戻したい!戻さなければならない!」

現在、北海道で酪農を学んでいる息子さんは、震災当時、あの過酷な現実に直面した状況下で「後を継ぐ」と宣言。その言葉は、瀧澤さんの揺るぎない決意と日々の挑戦の大きな原動力となっています。
瀧澤牧場の近くにある「田舎食堂みっちゃん」では、瀧澤さんの栽培したお米を日替わり定食で食べることができます。一粒一粒にしっかりとお米の甘みがあって美味しい!