【ペルー】技術交流を深め、実績を積み上げる中南米

海外

ペルーでEMの製造販売を手がけるBIOEM社は創立10周年を機にEM技術国際セミナーを開催。
中南米各地の活用事例報告と共に、ペルー国内の現地視察も行われました。

取材日:2014年12月1日

中南米でのEM技術国際セミナーを開催

(株)EM研究機構スタッフ及び中南米EMパートナー
2003年より、EM技術を身につけたEARTH大学(熱帯湿潤国際農業大学)の卒業生らがペルーでのEM普及活動を開始し、2004年にBIOEM社が設立され、㈱EM研究機構の正規EM製造販売会社として事業展開を行っています。2014年8月、BIOEM社は設立10周年の機会に、中南米諸国のEM製造者パートナー会議およびEM技術国際セミナーをペルーのリマ市で開催しました。

EM製造者パートナー会議では、中南米10ヶ国(ペルー、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、チリ、エクアドル、ウルグアイ、パラグアイ、ベリーズ、メキシコ)のEM製造の代表者らとともに、日本からはEM研究機構が参加して各国でのEMを活用した事業について情報交流が行われました。会議は、ワーキンググループ形式で進められ、問題やテーマ毎に各グループを分け、大規模な堆肥事業、汚水処理事業、水産養殖、工場設営などについて活発な意見交換が行われました。このような会議は、毎年、中南米の各パートナーで開催国を持ち回りにし、最新情報の共有と各国の問題を話し合う良い機会になっています。

BIOEM社が主催したEM技術国際セミナーでは、中南米EMパートナーが協力し、リマ市の日本ペルー文化会館で行われ、会場には400人あまりの多くの参加者が集まりました。セミナーでは、EM研究機構からEMの基礎知識を紹介し、マレーシアでのEM町づくりプロジェクト等、世界の事例が発表されました。

各国のEM活用事例発表

ペルーでは、エビ養殖が盛んなことから、タイからゲストを招き、タイのエビ養殖でのEM活用が紹介されました。
タイのエビ農家では、感染症EMS(Early Mortality Syndrome=早期死亡症候群)による稚エビの全滅が深刻ですが、タイでEMを活用した対策が効果を発揮しています。EMボカシとEM活性液を使った養殖池の準備や、汚泥対策にEM団子やEM活性液を使用する等、エビの生育環境が豊かになるようにEMを使い、その結果、エビのストレスが軽減されることで、収穫までの生存率をされることで、収穫までの生存率を85%で維持しています。

地元ペルーでのEM活用例として、石油輸送トラック横転事故等により汚染した土壌の浄化にEMを導入した企業からの発表がありました。石油汚染土壌をEM活性液と混合し、土を撹拌することで元通りの土に戻すことができました。コロンビアからは、中高生が中心となって、町全体の生ごみ処理でEMを用いている取組みが紹介されました。

その他、大規模なEM活用事業として、ブラジルでの汚水処理、チリでのブドウ栽培、ウルグアイでの大豆栽培等、ペルーの方々も高い関心を寄せる興味深い内容が発表されました。

EM活用で牛乳の生産量・牛糞の質が高まる

EM製造者パートナー会議に合わせて、ペルー国内のEM活用地視察を行いました。

リマ市の北、ウアラル地区に位置するサユリ牧場を視察。200ヘクタールの面積に600頭の牛が飼育されていて、平均290頭の牛から牛乳が生産されています。牛糞はEM活性液を使って堆肥処理され、牧草地の肥料として使われています。

また、トウモロコシや綿花の残渣を100倍に希釈したEM活性液と混ぜてサイレージを作り、給餌しています。その結果、牛乳の生産量が、7600~8400リットル/日となり、生産量が上がるだけでなく、て堆肥処理され、牧草地の肥料として使われています。

トウモロコシや綿花の残渣を100倍に希釈したEM活性液と混ぜてサイレージを作り、給餌しています。その結果、牛乳の生産量が、7600~8400リットル/日となり、生産量が上がるだけでなく、牛が健康で、糞尿からの悪臭が無く、ハエも少なくなったとオーナーは喜んでいます。その他、ペルーはリン鉱石も多くあるため、この牧場では牛糞とリン酸を混ぜ、EMで発酵処理した肥料を試験的に生産しています。牧草地の肥料として使用する他、販売も行っています。
  • 参加者と牧場のスタッフ
  • 移動撹拌器にEM活性液タンクが付けられ、撹拌と散布が同時にできるようになっている。

ミカンの収量も2倍に

アントラ家が経営しているミカン園は、リマ市より北のウアウラ地区に位置しています。

オレンジのタンジェロ種およびミカンのダブルマーコット種が栽培されています。この農園では、潅漑および葉面散布にEM技術を活用し、肥料は、EMで発酵処理した液肥を土壌に点滴しています。
魚の残渣とEM、糖蜜を水に混ぜ、5~6日間発酵させたものを液肥として使っています。

毎週1ヘクタール当たり、20リットルの液肥を潅漑点滴。その結果、収穫物の約80%で高品質なミカンが生産され、輸出されるようになりました。EMを使い始めて6年目頃から1ヘクタール当たり90トンのミカンが収穫されるようになりました。一方で、近隣のEMを使用していない農園では、1ヘクタール当たり55トンの収量なので、約2倍の収量になっています。EMを導入したことで、化成肥料も削減でき、従来と比べ生産費用を40%カットできているそうです。

BIOEM社では、こうした優良事例をもとに、中南米各国及び日本と技術交流を深めており、今後の活躍が期待されます。
  • EM発酵用の液肥タンク
  • オーナーのアントラ氏が喜んで収穫を見せてくれた