【福岡県】微生物の働きで海を守り、おいしい海苔づくり

河川浄化・水産業



 「海は畑と一緒。海苔養殖は気温や降雨によって塩分濃度が変化すると、生育や品質に影響が出たり、病気などの発生につながったりします。だから自然が大事なんだよね。海苔自体も成長の段階で、一番海苔は若芽で柔らかく、最後の七~八番海苔になると、成長しきって硬くなってきます。陸の植物と同じ自然のしくみがあるんですよね」と海苔生産者の堤さんご夫婦。海苔養殖は農業と同じように、海というフィールドで、自然の変化にあわせて海苔を栽培します。養殖というと人工的な感じを受けますが、海苔は養殖というより、栽培という言葉がピッタリだと、生産者の堤さんから説明を受けて思いました。
 取材当日は快晴で最大干潮。遠くまで干潟が続き、海苔網が海岸線に張り巡らされている様子がよく見えました。堤さんは海岸線を見つめながら「今年の海苔は最高の等級になるよ」と満足そうな顔で話してくださいました。(2014年1月取材)

取材日:2015年2月13日

EMとの出会いが あったから、海が守れた

 有明海では一時壊滅的な「色落ち」という現象がおきて、大凶作に見舞われました。平成11年から平成12年にかけてのことです。有明海は干満差が大きく、また流入する河川が多く、真水の流入などにより塩分濃度が変化するなど、海苔養殖に適した海域になっています。日本最大の海苔の産地として、佐賀県、長崎県、福岡県、熊本県に至る海岸線に沿って、海苔網が海岸線を覆い尽くすほど、一大産業となっています。
有明海に拡がる海苔の圃場
 色落ちの原因としては平成9年に水門ができた諫早湾干拓説もありましたが、それだけでなく、環境汚染や家庭雑排水などにより河川が汚染され、海の汚染が進んだ結果であることは明らかでした。全国的な不作が続き、とりわけ有明海の海苔養殖の収穫量は12年度には平年と比べ4割減となり、海苔の価格が高騰しました。

 そんな中、有明海に面する熊本県河内町では、海苔の色落ちが発生せず、収穫量が減らなかったということが大きな話題となりニュースで報道されました。河内町では、平成4年より『せせらぎ会』(会長中川ケイ子さん)が自ら行う環境活動としてEMを活用した生ごみリサイクルと、EMを活用した家庭排水の浄化活動をはじめていました。堤さんたちもその噂を聞いて、視察に出かけ、早速行動を開始。EMで海の浄化を行うことに地元の理解を得るための署名活動とともにEM活性液の製造・EM団子づくりを始めました。

「EMに出会えたことが最高のご縁」

 そして地元の大和漁協をはじめ6つの組合に危機を訴え、第1回目には100名あまりの協力を得て、EM団子を約20万個作成し、海域に投入した結果、平成13年度には豊作となりました。その後も浄化活動を『甦る有明海ネットワーク・ちくご』として継続。柳川市にも働きかけ、平成14年度からは柳川市がEM活性液を製造、現在では市内3ヶ所(柳川市本庁舎、三橋庁舎・大和庁舎)にてEM活性液とEMボカシを無料で市民に配布しています。柳川地区だけで、6つの組合(大和・中島・有明・皿垣・両開・浜武)がEM活性液とEM団子を製造し、投入し続けています。
平成12年度以降、海の環境保全のために、EM団子づくりをして、海域に投入し続けている漁協の皆さん。
 漁業者が自分たちの手で海を守った活動の結果、平成13年以後収穫量は安定し、海苔の品質も向上しました。堤さんご夫婦は、「今改めてEMに出会えてよかった、人生の中で最高の縁だと思う」と話してくれました。
柳川市本庁舎、大和市庁舎でEM活性液を培養し、市が無料で市民に配布。「水の町、柳川」の水系を保全するために、EM活性液が使われています。

有明海の海苔はパリパリとした食感が特長

 有明海は干満差が平均6mと大きく、海苔網は支柱で固定しているので、海苔は干潮時には海面上に出て空気に触れます。満潮時には海面下に沈み、それを繰り返すために、独特のパリパリとした食感が生まれます。これは遠浅の海だからこそできる栽培方法で、浮き流し栽培と呼ばれる常に海水面以下に保って栽培する方法もあります。
干潮時の海苔網の様子。水深がかなり浅くなり、船では近寄れない。

海苔は鮮度が大事。だからEMが必要

 海苔は、その日に収穫したものを、その日のうちに板海苔に加工します。朝に収穫した海苔は鮮度を保つために、海水を汲み上げた水槽に入れ、保存します。その海水槽にはEM団子を活用しています。EMを活用すると鮮度がいいのだそうです。

 今回、海苔の栽培と加工の工程をじっくり教えていただきました。洗い、細断、海苔の厚み(濃度)調整の工程で使用する真水には、EMセラミックスを活用。脱水用のスポンジの洗いにもEM活性液を使用しています。塩素系の洗剤で洗うと、スポンジがすぐに固くなり、ボロボロになって、交換しなければならないのですが、EM活性液を使うようになってからは、7年使っても新品同様で、交換頻度が少なく、経費削減になるそうです。
海苔の脱水用スポンジは、EM活性液で洗って使用すると、弾力が落ちず、新品同様

最も風味の引き立つ新芽を摘んだ希少価値の高い最高級品

正月過ぎから収穫が始まるように栽培されるこの海苔は、最も海苔の風味が引き立つ、最高級品となります。この初海苔は、地元では「ハナ海苔」と呼ばれ、希少品となるため、出荷時期や量ともに限定品です。栽培と収穫時にEMを使うことで、海苔の風味がさらに引き立っています。海苔を乾燥させた後、再度、焼き工程を入れているので、パリパリっとした食感と、とろける口どけの良さがあり、とても美味しくいただけます。(商品情報はこちら


有明海産 花のり