河川浄化編

EMで浄化活動をしている三重県四日市市の阿瀬知川

生態系ピラミッドを支える微生物

川や海の中に棲んでいるのは魚や貝だけではありません。魚が食べる小さなミジンコなどの動物性プランクトン、藻類などの植物性プランクトン、そしてそれらをはぐくむ菌類などの微生物がピラミッド状になっていることで、大きな生態系ができあがっています。 水の中の生態系が豊かであれば、それらを餌とする鳥や動物も集まり、自然界全体へ生命の輪が広がっていきます。つまり、生き物たちの生命を支えている、一番土台の部分を微生物たちが支えているのです。

「有機物が多い=川が汚れている」が一般常識

有機物が過剰に河川に流れ込むと、ヘドロとなって川底に停滞し、悪臭を放ちます。有機物の量と微生物による分解速度のバランスが崩れることで、ヘドロが堆積するのです。ヘドロが堆積することで、酸素が少なくなりますが、自然界では、酸素がなくなると、腐敗分解(有害発酵)が必ず起こります。 つまり、一般的には「ヘドロ(有機物)の量が多い=腐敗して悪臭が出る」という常識に立っているため、「川がキレイかどうか=どのくらい有機物が川の中にあるか」で判断しています。

そのため、河川がキレイかどうかを判断するための評価方法では、BOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)、TOC(全有機体炭素)などの「川の中の有機物の量を測る」ものが一般的に使用されています。

  • 採水した水の中の溶存酸素の変化を測定し、微生物が実際に有機物分解で消費した酸素量を計算して、元の有機物の量を調べる方法
  • 化学物質を使って有機物を酸化し、使われた酸素量を測定して、元の有機物の量を調べる方法
  • 有機物を分解して生じる二酸化炭素の量を測定して、元の有機物の量を調べる方法

現在の「水質基準」では測れないEMによる河川浄化。目的は「生物多様性」。

有機物が微生物のエサとして循環すれば、汚染源にはなりません。EMを河川に投入すると、ヘドロの中で有機物の有用発酵分解が起こり、他の生物のエサとして利用可能な有機物が生み出されます。 「有機物が多い=汚れた川」を判断基準にしていると、有機物量を測定している評価方法では、「EMを投入することによって有機物量が増えた=川が汚れた」という判断になります。しかし、その評価の中には、検出された有機物が他の生物のエサとして利用できるものなのか、利用できないものなのかという「質」の判断は含まれていません。 つまり、川の中の有機物が多いことは必ずしも水が汚れているという事にはならないのです。 事実、EMによる河川浄化活動では、「BODやCODの評価は悪くても生き物が増えてきている」という現象が全国各地で起こっています。河川浄化の目的は、「水質基準をクリアすること」ではなく、「生態系が豊かになること」です。BODやCODの評価が良くなっていても、生き物が戻ってこなければ意味がありません。多くの生き物に支えられている人間が生きていく上で、生態系を豊かにしていくことが大切です。

有用発酵菌が増えれば、生態系がよみがえる

EMは乳酸菌・酵母・光合成細菌などの、有用な微生物の集合体。微生物の働きによって、悪臭のもとであるメタン、アンモニア、硫化水素等の有害物質が分解され、無臭の気体(酸素や二酸化炭素など)を発生させます。ヘドロはいくつかの層になっていて、それらの気体がヘドロの層を持ち上げ、浮き上がらせます(※この時点で、水面にヘドロが浮いてくるので、見た目には川が汚くなったように見える)。酸素が発生することにより酸化分解菌が動き出すため、さらに分解スピードは速まります。 発酵分解の過程で発生するアミノ酸や有機酸、糖類等の有機物は、藻類をはじめとする植物性プランクトンのエサとなり、それらが原生動物(動物プランクトン)のエサになり、細菌から原生動物まで多様な微生物の種類や数が増えていきます。動植物プランクトンが増えたことで、それらをエサとする小さなエビ、カニ、貝、魚が増え、生態系がよみがえってきます。 私たちにとって、「川や海」は、「透き通っていてキレイだけれど生き物がいない状態」ではなく、海の幸・川の幸を与えてくれたり、自然の中で生かされていることを思い起こさせてくれる存在であってほしいもの。 エサとなる有機物から始まる生態系のつながりは、連続的なネットワークを構築しています。EMは、限りなく自然のメカニズムに近い形でそのネットワークを再構築してくれているのです。

「EM活性液」と「EM団子」で誰でもできる浄化活動

EMによる河川浄化には、「EM活性液」と「EM団子」を使います。これらは誰でも簡単に自分でつくることができるため、莫大な予算や特別な機材が必要ありません。一人一人の行動によって、生態系豊かな川や海に戻すことができます。

EM団子 EMを土とまぜて泥団子みたいにしたEM団子。川や海の底に沈み、ヘドロの分解を促進します。   EM団子の作り方はこちら

EM活性液 EM1にエサ(糖蜜)を加え、水で増やしたもの。川や海に流すと、有用な微生物が増え、水中の微生物バランスを、善玉菌寄りに整えます。   EM活性液の作り方はこちら

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