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【連載】泡盛マイスターMr.砂辺と行く、泡盛発酵ツアー(4)酒を何百年も熟成させる知恵

以前、ホテルコスタビスタ沖縄のバーで、チーフバーテンダーMr.砂辺に初めて泡盛カクテルを作ってもらった時、
彼が私に教えてくれたのは、
泡盛は、世界のアルコールの中でも大変珍しく、何百年も熟成し続けて、いつまでも美味しく飲めるお酒だということ。

そんな泡盛の最大の魅力に驚きつつも、よくわかっていなかったその理由が、今回の旅でやっとわかりました(^ ^)
Mr:ワインは古くなると劣化するんです。お酢、つまりワインビネガーになるでしょ。年代物のワインがオークションに出されても、あれはラベルとボトルの価値であって、中身はほとんど酢になっています。でも、泡盛は200年、300年保つお酒です。

私:へぇ〜、どうしてですか?

Mr:まず泡盛は蒸留酒だから。蒸留酒は、日持ちするんです。葡萄を醸造したらワイン、蒸留したらブランデーなんです。麦を醸造したらビール、蒸留したらウイスキーになります。米を醸造したら日本酒、蒸留したら泡盛になります。
なおかつ、熟成するっていう凄ワザがあるのが泡盛の特長。

仕次ぎ(しつぎ)って言って、一番古い甕(かめ)が100年ものだったとして、二番甕が80年もの、三番甕が70年ものだとしたら、100年古酒から少し取って、二番甕の80年ものから少し取った分を100年ものに足すんですよ。そうしたら70年ものの三番甕からまた少し取って、二番甕に足す。そうしたら、四番甕からまた少し取って、三番甕に足すって、やっていくんです。

私:なんでそんなことをするんですか?
Mr:美味しい酒を飲みたいからですよ(笑)
常に、一番古い甕の古酒を安定させたいんです。ずっと、こうやって仕次ぎをしていれば、何百年もお酒が劣化せずに熟成できるわけ。このやり方でお酒を熟成させているのは、沖縄の泡盛とスペインのシェリー。シェリーも泡盛と全く同じ方式ですね。

泡盛って、熟成させた古酒(くーす)のほうが絶対に美味しいでしょ。時が経つにつれてアルコールの分子が水の膜で包まれて、甘くなって、まろやかになっていくんです。

数年前に、(株)バイオジェットの塚原さんが、泡盛の伝統的な熟成法の仕次ぎについて研究発表されて、新聞にも載ったんだけど、何%抜いて、何%足せば酒の熟成に一番適するかっていうのを調べて、ちょうど10%抜いて、10%足すと、泡盛がより美味しく育ってくれるっていうのを見つけられたんですよ。

私:へぇ〜! 科学的に最適な比率を見つけ出したんですね。

Mr:塚原さんが言ってたんだけど、自分たちはちょっとずつ数字を変えながら実験したけど、昔の人はそれを感覚的に見つけて、最適な分量を取り出していたっていうのが、凄い!って。

古酒(くーす)って、先人の知恵が詰まった産物だなって思いますね。


(つづく)
配信日:2017.5.17

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