EMと共に生きる人々(WE USE EM)

家庭でできる熱中症対策~残暑もあるよ、熱中症!~

残暑にも要注意!

秋の気配が漂ってきても熱中症を忘れてはいけません。2016年の9月に熱中症で搬送された方は約4000人に上り、お子さんの運動会も要注意ですが、搬送の81.1 %が成人(内高齢者 43%)で占められています。九州沖縄地方の気温はまだ高く、都会のコンクリートジャングルは熱が籠もりやすいので、電気代の節約で暑さを我慢することは危険です。疲労や寝不足は熱中症の危険率を上げますし、今一度熱中症を学び、気を引き締めて参りましょう。

我々の体温は外気温が下がれば熱を溜め、上がれば熱を放出します。この絶妙なバランスが崩れ、体内に蓄熱が起こった時に熱中症を起こします。
症状は「熱失神(低血圧・気を失う・痙攣)」、「熱疲労(頭痛・目眩・嘔吐・全身倦怠・失神)」、「熱けいれん(痙攣:生命活動に支障)」、「熱射病(鈍い応答・異常言動・失神など)」などがあり、最悪の場合はショック状態に陥ります。高い外気温にいる時は、目眩や頭痛、手足がつる、朦朧とするようであれば、熱中症を起こしている可能性がありますので、速やかな対策を施しましょう。

熱中症を防ぐには

熱中症の問題点は「高い外気温」「水分+塩分」「体温調節機能」です。炎天下で運動すれば熱中症を起こしやすいのは当然なので、対策の基本は「運動を避ける」「時間を短縮する」「こまめなクールダウン」です。エアコン使用、日除け対策、冷却グッズ、風通しのよい衣類を準備して下さい。

水分と塩分を同時に摂取することが重要です。理想の塩分濃度は血液と同じ0.9 %(1リットルの水に9グラムの天然塩)ですが、この塩水は「不味い」なんてもんじゃないです。下手をすると吐くでしょう。手に乗せた少量の塩を舐めて、水を飲む方法で充分です[(注)食卓塩を除く]。スポーツドリンクは糖分が多すぎるので、水分補給には勧められません。

また血管拡張や発汗などの体温調節機能を担う自律神経系の安定稼働も大切です。神経の安定稼働にはミネラルの充足が重要なので、本物の梅干し、海藻(昆布、ワカメ)、スイカ、野菜(夏野菜:キュウリ、トマトなど)、種子類、味噌汁(冷や汁)、自家製の蜂蜜レモン、などを主に摂取しましょう。

熱中症を起こしてしまったら、 119番通報して相談します。それと同時に、ともかく「冷やす」ことです。木陰や涼しい部屋への移動、水をかけて扇ぐ、頚部(首)、鼠径部(股)、腋窩(脇)に保冷剤をあてがう、などを行いましょう。



 
医学博士 田中 佳 氏
昭和60年に東海大学医学部卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て、市中病院で急性期医療に長年携わる。脳神経外科学会および抗加齢医学界の専門医となり、悪性脳腫瘍に関する研究で医学博士を取得。現在は、予防医学、教育講演活動、執筆活動に取り組んでいる。主な著書「健康自立力」「続・健康自立力」(メタモル出版)、「健康の原点は食と腸にある」(きれい・ねっと)、「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」(評論社)