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Dr.岡野寛のEM健康アドバイス ~健康長寿の秘訣~

最近こんな言葉があります。NNK(ネンネンコロリ)の寝たきりで寿命を迎えるか。PPK(ピンピンコロリ)で寿命まで健康に暮らすか。あらためて問うまでもなく、誰もが健康に暮らしたいと願っているはずです。

一般的に「健康の秘訣」というと、バランスの良い食事、適度な運動、良質な睡眠を摂ることが言われています。もちろん長寿は、それが土台となっていますが、長いシニアライフにはちょっとしたエッセンスが必要です。それが何か、今回は、そのヒントもお伝えしたいと思います。

まずは、健康維持の秘訣からみてまいりましょう。

  

バランスの良い食事

食事は健康を維持するうえで非常に大切です。低栄養になると体力の低下や、病気になりやすくなるので、まずは栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。なるべくお米を主食にし、肉や魚などを摂り入れた主菜、野菜や海藻、キノコなどの副菜、果物などを、1日の中で適量摂れるように工夫します。

また、ご飯とお味噌汁といった、お米と大豆製品の組み合わせは、非常に効率的に栄養や良質のたんぱく質が摂れるので、健康長寿の秘訣です。意識して摂るようにしましょう。

ただし、高血圧や腎臓に持病のある方などは、塩分やたんぱく質の摂取が制限されることがあります。そのほかの持病がある方も、主治医に相談したうえで食事内容を調整するようにしましょう。
 

適度な運動習慣

適度な運動をすると、体力向上や筋肉の維持につながります。さらに、肥満、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなど生活習慣病も予防します。

これには、有酸素運動と筋トレを併用するのがおすすめです。手軽な有酸素運動としては、ウォーキングを1日20分〜30分、週3回以上することがおすすめです。普段からなるべくエレベーターやエスカレーターを使わず階段を使い、一駅前で降りて歩くなど工夫してみましょう。

また、有酸素運動だけでなく筋トレも重要です。とくに高齢者は、筋肉が衰えやすく寝たきりの原因になります。歯磨きをしながらかかとの上げ下げ、テレビを見ながらスクワットなど、日常生活に取り入れるだけの簡単筋トレを心掛けましょう。

 

良質な睡眠

良質な睡眠をとると、生活習慣病のリスクが下がるとされています。時間は短かすぎず長すぎず、ある調査では睡眠時間7時間がもっとも死亡率が低いという結果が出ています。

逆に、睡眠の質の低下は、こころの健康にも影響するとされています。なかなか眠れない、途中で起きてしまうなど、睡眠に何らかの問題を抱えている場合は、良質な睡眠をとるために、メリハリのある生活を心がけ、アルコール・カフェインを摂りすぎないことも大切です。

長寿の秘訣のエッセンス

さて、長寿の秘訣のエッセンスとは、いったいなんでしょう。長生きする人にはある特徴があります。それが、ポジティブ思考、趣味を楽しむこと、自分らしい生活環境を整えることです。

長いシニアライフを楽しむには、好きなことや趣味をもつことがおすすめです。何かに没頭することはストレスの発散になり、人とつながるきっかけにもなりますね。最初は、無理をせず、できることからはじめていく姿勢がいいでしょう。

ご自身の健康長寿、ぜひこの機会に一度、考えてみてはいかがでしょうか。
 まとめ『 健康長寿の秘訣 』 

健康と長寿の秘訣、知ることで、NNKがPPKに。
健康は、食事、運動、睡眠の、三つの要素が大切です。

こころ持ち、くよくよせずに前向きに、ポジティブ思考で健康長寿。
無理をせず、できることからはじめよう、長寿の秘訣、生活習慣。

医師(産業医) 岡野 寛(カン)氏

東京出身。東京慈恵会医科大学にて研修。浜松医科大学心療内科勤務、亀田リハビリテーション病院後期研修、沖縄県中部地区医師会健診センターストレスチェック制度立ち上げに関わる。現EM グループ産業医。「こころから研究所」代表。専門領域:心療内科登録認定医・リハビリテーション認定医・東洋医学・経絡治療(鍼)・日本医師会認定産業医・健康経営アドバイザー。