• #EMと共に生きる人々

引退したら人生の楽しみがなくなるでしょ。勉強会の参加者と分かち合うEMの楽しみ方

鹿児島県と宮崎県の各地を飛び回り、20年近く、数えきれないほどのEM勉強会を行っている山下浩さん。勉強会ではEMを環境改善と健康生活に役立てる活用法を伝えています。勉強会の仲間の皆さんから先生と慕われる山下さんの魅力とは。

山下浩さん 【鹿児島県鹿児島市】

鹿児島県内でEMを知って使っている方なら誰もが知っている人物、山下浩さん。40代の頃にEMと出会い、鹿児島市でEMを販売するお店を始め、鹿児島県と宮崎県の各地からEM勉強会の講師に呼ばれるようになり、健康と環境改善についてEMの活用法を伝え続けてきました。今年70歳を迎えた山下さん、自身の体力とのバランスを考えながら、勉強会を続けています。

EMの勉強会を始めたのは20年近く前のこと。新聞で募集をかけて、店内でEMの使い方の勉強会を始めました。最初はなかなか人が集まりませんでしたが、一人でも来てくれたら勉強会をする。繰り返し、繰り返し勉強会を開催することで、次第にどんどん人が集まるようになりました。
 
山下さん:
私は勉強会に人を集めようとか、EMを売ろうとかいう考えはないからね。話を聞きたくない人は来ないでいいよ。参加者が増えすぎても大変。店の隣の会議室に入りきらなくて、いすが足りないからって隣近所の喫茶店からも椅子を借りたりして。それでも廊下に立って見てる人もいたよ。
  • 鹿児島市内から見る桜島
最初は鹿児島市内のお店1か所で始めたEM勉強会。これが盛況になってきたことで、県内各地でEMを使っている方たちに呼ばれて出かけるようになりました。EM勉強会を企画して集客するのは地元の方々。山下さんのEM勉強会を聞きたいという人は増え続け、屋久島、喜界島、奄美大島、徳之島、沖永良部島など鹿児島県内の離島や、宮崎県の方からも呼ばれて勉強会に出かけます。
 
山下さん:
勉強会は来る人だけが来ればいいんですよ。人数が少なくても充実した勉強会ができるから。それが普通はできなくて、無理にでも人を集めようとしてしまうよね。でも、EMは縁で結ばれているから、縁がなかったら来ないんだよーってみんなに言っています。無理に集めるやり方をしていたら、そのうち誰も来なくなる。来る人が一所懸命な人だったら、EMの世界っていうのは拡げられるから。

人が集まらないと心配する時期を乗り越えると、あとは自然に人が集まるようになり、もっともっと勉強したいという要望が出て、山下さんのEM勉強会を定期開催するようになりました。山下さんの話はとても面白く、勉強会は楽しいと好評。山下さんは県内各地で「先生、先生」と皆さんから慕われています。
山下さん:
EMを使っていて私を知らないっていう人は、EMの情報が古いと思いますよ。EMはずいぶん昔から知っていると言っても、どんどん進化して新しい使い方が出てくるから、私も比嘉教授の最新情報を常にキャッチするようにしています。私の勉強会に出ている人は、最新の情報にバージョンアップできるから、使い方が上手になっていきますよ。
 
有機栽培の知覧茶を製造販売する塗木製茶工場では、以前からEMを茶畑に使用していましたが、思うような効果が上がっていないと山下さんに話しました。話をよく伺ってみると、EMの使い方、培養の仕方を勘違いしていたことが判明しました。早速、山下さんのアドバイスで使い方を改善。これから本格的にEMを使っていく予定です。
  • 鹿児島県南九州市知覧町(有)塗木製茶工場さんの茶畑。見える茶畑はすべて塗木製茶さんの畑。
今年70歳を迎えた山下さん、これまでは20ヶ所以上に2ヶ月に1回(年間6回)の頻度で訪問するという多忙なスケジュールでしたが、現在はEM勉強会で各地を回る頻度を4ヶ月に1回(年間3回)に減らし、スケジュールに少し余裕を作って活動しています。それにより、新しい地域からもEM勉強会の依頼にも応えられるようになりました。
 
山下さん:
各地のEM勉強会の仲間の皆さんとは20年近くの付き合いになるから、みんなもう親戚みたいな感じになってますよ。言いたい放題。
70歳になって、引退するか、しないかと考えたけどね。仕事をやめて旅行に行ったほうが良いって言っても、旅行して帰ってきて何をする?することが無いよね。勉強会をやめて自分ひとりになったって、楽しみが続くわけがないもの。みなさんと交流して初めて喜びがあるわけでしょ。
 
EM勉強会に参加される方の中には農家さんもいらっしゃるため、EMの農業活用の指導にも行くことがあります。そこで、5、6年前からは畑を借りて土日に家庭菜園を始めました。山下さんの畑は工夫を凝らし、新しいやり方を試す実験場所となっています。そのため、勉強熱心な方が畑の見学に来られることも多いのだとか。
山下さんの畑は、借りた当初は草藪でした。20年近く放置されていたため、土はカチカチで杭も刺さらなかったほど。それが、5、6年かけて手入れをした結果、だんだんと柔らかくなってきました。水源が無く、雨水だけで育てていますが、梅雨の時期には水が溜まって田んぼのようになってしまうため、畑の周りに溝を掘って水はけを良くし、近所の公園の落ち葉をもらってきてEMで腐葉土を作っています。そんな山下さんの畑を見せていただきました。
突然ですが、皆さん。トウモロコシの大敵、アワノメイガの予防策をご存知ですか?山下さんに教わった方法をここでご紹介します。
アワノメイガは蛾の一種。幼虫がトウモロコシの実に潜り込み食い荒らすことが良くあります。被害を防ぐコツは、トウモロコシの茎の先にススキのような穂(雄しべ)が出たら、これを刈り取ってしまうこと。穂が無いとアワノメイガは来ないのだそうです。刈り取った穂は捨てる前に、トウモロコシのヒゲ(雌しべ)にポンポンと花粉を付けて人工授粉をさせればOKです。
 
これはヤマヨモギ。薬効が強いので虫よけに使えるのだそう。EMに漬けこんで青草液肥を作ってキャベツなど害虫被害を受けやすい作物にかけます。
 
この畑で栽培される野菜はとても豊富。ニンニク、ジャンボニンニク、らっきょ、エンドウ、玉ねぎ、ジャガイモ、トウモロコシ、ごぼう、ニンジン、里芋、生姜、ミニトマト、中玉トマト、ゴーヤ、スイカ、苺、ヘチマ、ナス、ピーマン、カボチャ、キュウリ、イチジク。秋冬にはまた他の野菜が登場します。珍しかったのは、生け花用の麦、紫色のそら豆。昨年、この紫色のそら豆を勉強会の仲間で分けたので、今年はみんなが自分の畑で栽培し、たくさん収穫できたようです。
「お土産に」と、掘ってくださったのは、インカのひとみという品種の赤いジャガイモ。インカの目覚めと同様、中は黄色く濃い味で、とても美味しく頂きました。
 

EMを使いたい、楽しみたいと集まってくる方に対して、自分で自信を持って伝えられる情報だけをしっかりと伝え、丁寧にサポートする山下さん。信頼関係をとても大切にされています。そして、家族のように何でも言える関係性で、山下さんと勉強会の皆さんの会話は、ジョークも飛び交い、ほっとする空気が広がります。

山下さんの健康の秘訣は、EMと温泉。近所の温泉にほぼ毎日通っているのだそう。
これからも、元気パワーとEMの楽しさを皆さんに届けてくれます。

 
取材日:2017年5月22日(U)