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「消費者に安全なもの」を追求したヨシチクのEM豚

薬を抜いた特注の配合飼料に自家製EMボカシを混ぜ、愛情たっぷりで豚を育てている(株)吉玉畜産。「豚も人も健康が一番!」と安全安心を追求して15年以上も続ける取り組みを紹介します。

県外からも引き合いがある豚を大切に育てている。(株)吉玉畜産社員・パートの皆さんとお客さん。豚舎に隣接する直売所兼吉玉宅の前で。
株式会社吉玉畜産 【宮崎県延岡市】

EMを活用し、薬を使わずに豚を育てる…そんな取り組みを15年以上も続けている宮崎県の株式会社吉玉畜産。薬を抜いた配合飼料に自家製のEMボカシを混ぜ、大切に、愛情たっぷりで育てています。レストランやスーパーでも人気上々で、EM豚のおいしさの秘密と、それを扱うシェフたちを取材しました。
※㈱吉玉畜産は2017年4月10日、「ヨシチクのEM豚」から「延岡 よっとん」とブランド名を改名いたしました。

脂が甘い、 吉玉さんが育てた豚たち

吉玉さんが育てている豚は「黒豚」や「アグー」など、「○○豚」と名がついた特別な品種ではありません。にもかかわらず、食べた方からは「おいしい」「脂が甘い」「豚肉が嫌いな人でも食べられる」と大好評で、レストランのシェフたちも絶賛しています。今回、延岡市でEM豚を食べられるカフェやレストランをご紹介いただき、5つのお店にお話を伺うことができました。

「脂がサラッとしていて甘い」「肉の味がしっかりしているのに、脂はあっさりしている」「豚特有の臭みがない」「冷凍後、解凍した時にドリップ(液)が出にくく、鮮度が長持ちする」「煮込んでも、煮くずれしにくく、まとまりがいい」等々…。

20年以上吉玉畜産の豚を買い続けてきたお客さんも、「EMを使うようになって、”脂が臭くないね“から、”脂が甘いね“に変わった」とおっしゃいます。
  • 写真(左)吉玉畜産の豚を使用した、モモ肉のカルパッチョ(欧風ラテン旬彩rico tacna)。
    写真(右)ランチプレート(cafe viola)。味わい深いのにあっさりしていていくらでも食べられる。
    ※店舗情報はページ下部にあります!
「エサをやっている時に食べにこない子がいたら、体調が悪いのかな?足をケガしているのかな?と気にしてあげます」と勇作さん。

肉質を高める こと以上に、 豚への愛情をかける

豚の品種は同じでも、違っているのはエサと育て方。「この飼料はね、飼料屋さんにお願して薬を抜いた状態で配合してもらっているんだよ。他の豚屋さんのものと別に作らないといけないから、めんどくさがられているけどね(苦笑)。ホルモン剤を入れていないから、半年で一気に成長する一般的な飼育よりも、出荷まで1~2ヶ月程長くかかるし、その分、エサ代も余計にかかってしまう。でも、それが本来の豚の成長スピードなんだし、なにより、自分が食べられるもので豚達も育てたいから」と語る会長の吉玉洋二さん(父)。エサには、成長を促進するためのホルモン剤や病気予防のための抗生物質を使わない配合飼料に自家製のEMボカシを混ぜて与えています。

豚舎の中の1区画の豚の数を増やし、飼育数を増やすこともできますが、そうすると豚のストレスが増え、肉質にも影響してくるので、「それはしたくない」と社長の勇作さん(息子)。

「鉄の檻の中で豚達は育てられ、土と離れて暮らしています。本当は、広い土地で放し飼いをしてあげればもっと豚にとっていい環境になりますが、どうしても限界があるから。EMを使うと、少しでも自然の環境に近づけられると
思っています」。
  • 写真(左)豚も気持ち良くすやすや。
    写真(右)「薬を抜いているから、このエサは食べられるよ。自分も食べられるもので豚たちも育てたいからね」と洋二さん。
  • 写真(左)豚舎をのぞくと、子豚たちは興味津々に寄ってくる。
    写真(右)吉玉さんの豚たちは元気がいっぱい!
「畑も豚も人間も一緒。薬を使わなくてもEMで元気に育つよ」と千代子さん。

薬を使うことは、 信頼を裏切ることになる

「薬を使わないことで、病気が蔓延し、豚をたくさん死なせてしまったこともあるよ。薬を使えば、簡単に解決できる。でもね、『こんなに薬を使って、食べてくれる方に申し訳ないなぁ』と思いながら販売はできないし、今まで安心して食べてくださっていた方の信頼を裏切りたくないからね」と、振り返るのは、吉玉千代子さん(母)。豚の飼育指導では、「薬の入っていない飼料を出荷1ヶ月前から使用すること」と指導されるそうです。しかし、「本当に1ヶ月で薬が抜けるの?」という疑問から、2ヶ月前からにしよう、3ヶ月前からにしよう…と徐々に薬の使用をやめていきました。そして、せっかく大切に育てた豚を直接お客さんに届けたいと、平成元年に自宅の敷地内に直売所を開設。無投薬のこだわり豚を育てながら、出荷、直売も家族一丸となって駆け抜けてきました。

豚にEMを活用し始めたのは17年程前。ふらっと直売所に訪れた男性が、「ここ、臭いねー。EM使ったら、臭いがなくなりますよ」と紹介してきたそうです。洋二さんも千代子さんも、「急に来て失礼な人だなぁ」と思ったそうですが、九州でEM普及活動をしているというその男性の話を聞くと、「どうもよさそう」。折しも、当時、娘さんが病気で、病気のこと、薬のこと、食のことについて気にかけていた時でした。そこで、「豚も人間も健康一番!何かのご縁!」と、EMを使った取り組みを始めました。

 
  • 写真(左)豚舎から出た豚糞堆肥で小さな家庭菜園も楽しんでいる。
    写真(右)吉玉さんのご自宅前のプランターにも、野菜がちらほら。

EMで豚舎の 臭いが減り、 直売所のお客さんも びっくり

直売所は豚舎のすぐ前にあります。EMを活用するようになり、「どこに豚舎があるんですか?」と聞かれるほど、臭いがなくなりました。以前は、午前中作業をしたら、シャワーを浴びて、全身の服を着替えないと、とても臭くてお昼ご飯を食べることができなかったほど。それが今では、一日中同じ服でも作業ができるようになりました。

EMボカシが混ざったエサを与え、もみ殻や米ぬかを混ぜた敷床にもEMを使うようになって、豚の糞尿の臭いが減りました。臭いの軽減は豚舎の中で成長する豚へのストレスを減らし、安全なエサによって豚の腸内環境が整うので、健康で病気にもかかりにくくなりました。食欲も旺盛で元気いっぱいの豚は肉質も高まり、ますます人気上昇中!

千代子さんの夢は、「EM豚の内臓を販売すること」。今はと殺場の関係で、出荷したEM豚だけの内臓を選別することはできないそうです。愛情いっぱいに育てた豚を余すところなく”いただく“夢は広がります。



 
吉玉さんのEM豚が食べられるお店@延岡

宮崎県延岡市内で㈱吉玉畜産の豚肉が食べられるお店をまとめました。
「冷凍して解凍した時にドリップ(液)がでないので、味が落ちないのでビックリ!」、「煮崩れしにくく、まとまりがいい肉」、「ピュアで飽きのこない味」など全国のプロの料理人が認める吉玉さんの豚肉を食べたい方はぜひどうぞ!


【四季食彩くらや 】
〒882-0824 宮崎県延岡市中央通 2-2-3 
☎0982-31-2324 
http://www.kuraya-nobeoka.com/

【cafe viola 】※写真ランチプレートのお店
〒882-0051  宮崎県延岡市富美山町83-421 
☎0982-29-2705

【きたうら善漁。】
〒882-0821  宮崎県延岡市本町1-3-14 
☎0982-31-0051 (予約制)
http://zenryomaru.jp/

【chez Onji】
〒882-0821 宮崎県延岡市本町1-3-8
☎0982-33-0301 
http://www.chezonji.com/

【rico tacna 】※カルパッチョの料理が食べられるお店
〒882-0045 宮崎県延岡市瀬之口町1-2-6
☎0982-35-2080
取材日:2014年9月27日(SN)