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イネが分かれば、全てがわかる!!田んぼをやっていると、地球の深遠がわかる

≪EM美味米を育ててくださっている長野県高山村の園原久仁彦さんのエッセイをご紹介。
自然と調和した農法を実践し、毎日水田を観察していると、この地球の仕組みについて
気づきがどんどん出てくるのだそう。園原さんの感動が伝わってきます。≫

海も田んぼも同じです!!田んぼが分かれば、地球が分かる。
海の底辺を支えている、オキアミたち…鯨の主食にも、全ての海の魚の主食の基点…循環の大きさ
田んぼの底辺を支えている、ミジンコたち…田んぼの生きもの達の底辺を支える基点…循環の原点

これらはまず、植物プランクトンが発生し、食物連鎖のはじめとなります。
植物は光合成でエネルギーを作り酸素を廃棄物として水中に吐き出し、生きる環境の源となっています。
動物プランクトン、それを食すより大きな動物達が循環の大きな渦の中にいます。
鯨の一部では、オキアミを主食にしている大きな哺乳類も居ます。
 
地上の田んぼの持つ大きな意味を全体像を認識しないと大変なことになると、2004年、百姓になってから、その重要さに年々気づいてきました。師、岩澤信夫氏との出会い、20042月。自然耕塾、千葉神崎にてのイネの勉強会…衝撃の出会いでした。

その塾での第一声。
「私が岩澤です。皆さんの中にあれもいい、コレもいいと思ってイネを学ぶ方は、お金をお返ししますから、ここから出て行ってください。」

オー!!なんと凄い自信だ。その一声で私の全体が震えて、目覚めました。それからは一言一言をもらすまいと、本当に楽しみな日々の始まりでした。そしてイネがわかれば全てが分かります…と、おっしゃいました。

これが不思議な調べで、全てとは…その時はまさか今この凄さには気がつきませんでした。一年一年、その凄さ、楽しさ、勉強する、学ぶ面白さの始まりになるとは思いませんでした。又現在、自然耕塾@高山村にて私も教える立場になって先生の第一声の意味が痛いほど理解できます。
6年目となりましたが、延べ170人が全国で実践しています。無農薬のお酒も上田市、新潟市の塾生が発売してれました。
塾で、先生に会うことが待ちどうしくてなりませんでした。寝袋を車に積んで、仕事が済んだ夕方、長野を出発、夜どうし走り疲れたら広いところで休み休みし、千葉に向かいました。朝一、神崎の駅前に集合、先生と合流して、受講者を同乗させて、塾長の実践者岩澤信夫農耕法の第一人者藤崎芳秀氏の無農薬の20年の田んぼに行き、その時のイネの様子、波動のこと、山赤蛙のこと、毎回毎回、もう先生のタバコを吸いながらのお口から出る不思議な魅力にワクワクの一日でした。学ぶ楽しさの連続、勉強することがこんなに楽しいことだは思いませんでした。

そして、イネがわかれば何でも分かるの始まりでした。

千葉で学び、一ヶ月遅れの気象の長野、高山村で実践する。勤め前の、早朝、帰宅後の夕方から夜8時頃までの日々の雑草取りなども楽しい物となっていました。少しずつ何かの発見が出てきました。目がそれに向いてくると見えてきたのです。まずミジンコがぐちゃぐちゃ泳いでいました、そしてオタマジャクシが出てきて、尻尾をくねくねと愛らしく泳いでくれました。長野市から移住してきた私にとっては、さあどうぞと村の方は、歓待してくれませんでしたが、珍しさもあって、近所の人達は、遠くで眺めていました。でも田んぼの水はなかなか思うようにもらえませんでした。水路をあければ何時の間にか止められていました。深水が重要…と言われていましたので、気が気ではありませんせん。皆が寝静まった夜中にそっと起きて、歩いて水路を開けに行く日々が続きました。
そんなある日の夜、どんよりとした蒸している日の田んぼに行き、遮断板を開けて田んぼに水をいれ、ホッとして眺めていたら、目の前の草むらの上に、ポーと光る物が飛んでいます、おっ!!ホタルだ、ホタルが居る…感動して大きな声が出てしまいました。
これが天からのお年玉第一号でした。天は見ている!!後年、宮城谷昌光氏の著書、子産、を読んで大きな苦悩の日々でもめげずに前進していく物語に、苦しい時に自分に言い聞かせる言葉が“天は見ている”…でした。自分を振るい立たせる言葉がコレでした。天からのお年玉は毎年、驚きの楽しさと共に、いただいて今があります。
このホタルは何だろう、すぐ図書館に行き調べ、ヘイケホタルだ。調べ、知り、考え、頭から離れませんでした。
これが、ほたるの居る田んぼを創る会を思いつき、物語のある田んぼつくりの始まりでした。
 
隣町のEM研究会の会長の脇の小川に居るメダカを数匹いただいて田んぼに放したら、夏にはメダカの学校になっていました。何百、何千かと思われるほど増え続けました。トンボのヤゴが朝一に羽化していてそれを見るのも雑草取りの早朝の楽しさでした。毎年珍しいトンボが出てくれています。この千石里山には、36種のトンボが居るとのことが後でわかり、この岩澤農法の重要さを認識した次第です。“何も使わない”凄さ!!農薬、除草剤、化学肥料を不使用で作る田んぼのイネがいかに重要かが年々、天からのお年玉をいただくことで、分かってきました。

ドジョウの産卵を初めて見ました。早朝サヤミドロ藻、シャジク藻の中をバシャバシャと何尾もの普段見たこともない大きな太いドジョウがメスを追い回して、絡みつき産卵をしていました。オーオー、驚きの時でした。
こんなセンス オブ ワンダーに出会える楽しさがこの田んぼにはあります。
 
3年目の夏に、30歳になった息子が「体の調子が良い」と嬉しそうに東京から孫達と一緒に来た時の、その言葉にあって、このお米の大きな健康への力を気つきはじめた出来事でした。

今考えると、これが一番大きな天からのお年玉でした。それからは体、健康、安全とは何だろう!生きものとは、イネとは、植物とは、微生物とは…次々と知りたいことが増え続け、図書館のカードが長野市、須坂市、小布施町、高山村への図書館通いとなり、蔵書も増え続けました。その中でも福岡伸一博士の著書、農業専門書、天文書、次々と面白い専門書に出会いました。そこから分かったことは、全てがつながっている、地球の全てが川から海に。微生物たちも我々の体と、土も植物たちも、それを食べている動物達もみんなつながっている。循環の大きな輪だ。

新潟県山北のさんぽく南小学校5年生の授業に呼ばれたときに、子供たちにこの田んぼを一と目で分かるのにどうしたらいいかと考え続けて思いついたのが、“田んぼが小宇宙”の図案絵でした。太陽の恩恵で地球があるように、田んぼも太陽の光で植物プランクトン、藻たちの光合成で酸素だらけの田んぼの水となり、植物プランクトンを食べている動物プランクトン…植物連鎖の循環が成り立っています。この絵を見て子供たちはすぐ理解してくれました。季節季節の変わり目にお便りをくれました。安全とは何か、何も使わない凄さが年々分かってきました。

そんな中、16年目にお子さんが出来、18年目にお子さんが出来ました…とこのお米を食べている奥様からの嬉しい話は驚きと革新の出来事でした。お米からできる糀と大豆と塩でお味噌が出来ます。これらを食べていたお客様からの嬉しいお便りです。私自身も13年間内科にかかる病気はしていません。健康の基準食が主食のお米だ!!をきずいた息子の出来事がきっかけでいろんなことが分かってきました。

環境も再生できる田んぼ、人間の主食として最も重要なお米となります。今年東京農業大学教授の小泉武夫氏の著書“発酵は錬金術である”(新潮新書)で糀からできる甘酒が、点滴と同じ栄養があり、その記述に全てのビタミン類、全てのアミノ酸類がある…この記述に出会って健康がなぜか分かってきました。私は日々甘酒を造って、飲んでいます。このお米の凄さが、半端でないことを気がついた重要なことでした。全てが天然であるので吸収に無理がなく体に優しいことも。

先生の第一声の凄さ、イネがわかれば全てが分かる…なぞめいた言葉の面白さと凄さが、年々はっきり分かってきました。コレで世界が変われると言うことも。

主食革命の始まりです!!
 
現在の田んぼは大多数が除草剤、農薬、化学肥料で作るお米工場となっています。生きものの循環はありません。イネ工場となっているだけと思います。自然環境の循環は、除草剤でまず、植物プランクトンの発生を阻害して、光合成での酸素がありません。全ての生き物の基点がないのです。人間だけが都合よく食べられる、生きられると思って居るのです。でもこんなに、アトピー、アレルギー、病気が増え続けているのはおかしいと思いませんか?

世界一の農薬を使っている日本の田んぼ。畑も果樹も花卉も全て今日の大多数は化学物質漬けです。
安全な農薬などと言うものは、ありません。体に悪いのです。ほんの少しでも、毎日いただく食べ物、主食のお米などに使う農薬、除草剤、化学肥料等の化学物質は日々の蓄積が知らず知らず体に蓄積されていきます。
水俣病で分かったようでも、本当に分かっていないのです。食べた物で体は出来ていることを…本当に分かってく
ると、いかに主食の重要さ、食べ物の大事さが理解できてくるのです。
それが息子の体調の変化から少しづつ分かっていきました。

毎日田んぼを見ていてこの田んぼの凄さ、生きものだらけになりうること。環境再生力!!安全な主食のお米、お米からできている糀、お味噌、甘酒、お酒。 このお米だと全く違う力をいただけるのです。優しいのです、体に。生きものは、植物でも動物でも、体は食べた物でできています。あまりにも当たり前なので、その重要さが本当に分かっていません。植物は何でも取り込みます。よい物だけではありません、放射線も、農薬も。それを虫や動物も、我々人間も全てを食べて摂りこんでしまいます。だから何も取っ付いていないことが、最も重要なのです。食べ物の根源は何も取っ付いていないことが大事なのです。だから、岩澤農法は、究極の田んぼと言われるのです。

2004年、何も知らなく、初めてイネつくりをしてきた私でも、教わった通り再現が出来ました。田んぼが生きものいっぱいになり、そのお米が今の病気もしない体にしてくれています。息子も助けてくれ、お子さんがいないお客様からの嬉しいお便りもいただきました。それが全てではありませんが、主食のお米と具沢山のお味噌汁が重要です。毎食毎日なのです。
 
簡単なことです。…主食のお米、お味噌が何も取っ付いていなければ、それが不思議に体に現れてくる。
誰でも、自分の食べるお米は作る事が出来ます。そのお米から糀が出来、具沢山のお味噌汁となり、全てのビタミン、全てのアミノ酸が、たっぷりのブドウ糖もある点滴と同じと言われる甘酒もお味噌も、このお米があれば出来るのです。
岩澤農法から、イネが分かれば全てが分かる不思議を体験の年月。
今も…。

誰でもできる、ご家族の安全な基準主食のイネつくりを実践してください。私が実践したように、自然耕塾で学んで、実践してください。誰にでも出来ます。

農業革命で主食革命のイネつくりを。
               

高山村千石里山 標高600mより   
園原久仁彦   2017年9月

日本不耕起栽培普及会  代表
ほたるの居る田んぼを創る会 代表

初めての方、学びたい方は、
自然耕塾@高山村   塾長:園原久仁彦  ℡:090-9665-0907
自然耕塾@新潟    代表:小池良一  講師:園原久仁彦