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自然と人の想いをつなぐ茶の匠を訪ねて

全国でもお茶の生産量トップを誇る静岡県。自然豊かなこの土地では、江戸時代よりお茶の栽培がさかんにおこなわれてきました。そんな歴史ある掛川市で長年にわたり、EMを利用した有機栽培のお茶を製造販売している(株)宝和園を訪ねました。

お茶は“相手”に淹れるもの、味、香り、心を伝えたい

宝和園は宝暦年間(1750年代)に創業し、掛川に根をおろしてなんと250年以上!
農林水産大臣賞にも5度輝く老舗。江戸時代より続く、8代目社長の岡本義明氏にお茶の情熱を語っていただきました。
 
「お茶は、“相手のために淹れるもの”。“相手”を想い、急須でお茶を淹れ、お茶を囲んでの家族の団らんや地域との交流の時間が少なくなってきているのは悲しいですね。お茶を飲むことで、皆さんには安らぎや和みの時間過ごしてほしいと思っています。」
 
少子高齢化や核家族化が進む現代では、急須でお茶を淹れる機会が減っているのに対し、ペットボトルのお茶は日常的なものに。けれど、その中身は酸化防止剤としてビタミンCが混入されています。加工されればされるほど、自然のものからかけ離れていき、お茶本来の「香り」や「味」がわからなくなってしまっているのです。

有用微生物群を利用した自然農法へのこだわり

「当然ながら、飲み物」はおいしくなきゃつまらないですよね。安全、安心はもちろんのこと、おいしいお茶のためには、水や農地など、いい環境を整える必要があります。有機栽培のためにEM(有用微生物群)を利用した自然農法にこだわっているのは、そのためです。

「自然農法に加えてEMを取り入れたことによって、品質の向上や収量増加、病害虫の減少など、その効果を確信しました。また、生産者と協力をして、共に苦労をすると良いお茶になっていくんですね。うちが栽培を依頼している農家さんすべては静岡県内。身近にいて交流することで信頼関係を築きながらお茶づくりができるのです。」
「化学肥料を使うとアミノ酸の量も増えますが、それは自然ではありません。そのようなお茶を飲んでいる人にとっては、有機栽培のお茶は物足らないかもしれない。」と岡本社長。しかし、続けて飲んでいると本物の味がわかるようになり、「自然の昔のお茶の味がする」といった声が多く宝和園に寄せられているそうです。

「お茶を通しての人と人とがつながっていく」、作り手の想いがたくさん詰まったお茶づくり。家で過ごす時間が増えた今、お茶を囲んでの団らんの時間を作ってみてはいかがですか?
 

飲むだけじゃもったいない!有機のお茶

農薬や化学肥料を使わない有機栽培のお茶は、自然の恵みが凝縮されたお茶本来の味と香りが存分に楽しめます。だからこそ飲むだけではなく、天ぷらに混ぜたり、抹茶の料理やスイーツなど、いろんなスタイルでまるごと味わいつくせるのです。

「もったいない精神」でエコな暮らしにどんどん活用しましょう。

 
  • 茶葉を余すことなく使った、お茶のマーブルクッキー。
  • とろとろ番茶どんぶり(番茶佃煮のせ)。番茶の茶殻も使う、お茶尽くしのどんぶり。